開頭手術を行うべきか、
血管内治療を行うべきか、
適切な治療方法を選択します。
未破裂脳動脈瘤の治療方法には、「血管内治療(コイル塞栓術)」と「開頭手術によるクリッピング術」の2つの方法があります。未破裂脳動脈瘤は、部位や大きさ、形状のどれも二つとして同じものはありません。加えて患者さんの年齢や体力、持病なども千差万別です。開頭手術を行うべきか、血管内治療を行うべきか、患者様の病状によって適切な方法は違います。
当院では、手術の具体的な方法、危険性、治療後の見通しなどもご説明します。その上で、私たちが考える治療選択の優先順位をお示ししますが、絶対と言える選択はあり得ません。患者さんご自身やご家族で十分に話し合いを行い、私たちも一緒に考え、納得のいく治療選択をしていただくことが何よりも重要であると考えています。
動脈瘤とは心臓から新鮮な血液を身体全体に送る「動脈」が部分的に、円筒状や袋状にふくらんだ状態をいいます。これが脳の動脈にできたものが「脳動脈瘤」です。破裂していない脳の動脈瘤を「未破裂脳動脈瘤」といいます。
脳動脈瘤の原因は残念ながら解明されていませんが、高血圧や喫煙、遺伝などが関連していると考えられています。また、この脳動脈瘤が破裂するとくも膜下出血となります。くも膜下出血は脳卒中の中でも最も予後が悪いといわれており、約1/3の方は死亡、約1/3の方は後遺症を生じ、残りの約1/3の方しか社会復帰できない恐ろしい疾患です。
❶ 脳動脈瘤が出来た脳血管
❷ 脳動脈瘤が破裂した脳血管
くも膜下出血が発症
未破裂脳動脈瘤に対しては、「血管内治療(コイル塞栓術)」と「開頭手術によるクリッピング術」の2つの方法があります。もし治療が妥当と判断された場合は、「開頭クリッピング術」か「血管内コイル塞栓術」か、より安全に出来ると判断した治療法を選択して、それぞれの治療法の内容とリスクを十分に説明したうえで、クモ膜下出血予防目的で治療にあたるようにしています。
血管内手術と呼ばれる治療法の一つです。
足の付け根から細いカテーテルを入れて、X線透視画像を見ながら、脳の血管にまで到達させ、瘤の中にコイルをくるくると詰めていきます。
このコイルにより瘤内の血液が血栓化し、瘤内に血液が流れ込んでくることを防ぎます(=脳動脈瘤の破裂を防ぐ)。
クリップで脳動脈瘤を止める
血管内手術と呼ばれる治療法の一つです。
足の付け根から細いカテーテルを入れて、X線透視画像を見ながら、脳の血管にまで到達させ、瘤の中にコイルをくるくると詰めていきます。
このコイルにより瘤内の血液が血栓化し、瘤内に血液が流れ込んでくることを防ぎます(=脳動脈瘤の破裂を防ぐ)。
コイルで脳動脈瘤の内部を満たす