脳血管疾患と関連が多い
心筋梗塞、狭心症、不整脈、心不 全等の心疾患に対しても
適切な治療を実施
脳卒中の患者さんは心臓の病気を合併しているケースが多いです。狭心症、心筋梗塞といった心臓の病気も、脳卒中も、同じような「血管の病気」であり、動脈硬化によって血栓ができ、血管が詰まったり、流れが悪くなることが大きな原因です。
脳卒中の疑いで救急搬送されてきた患者さんが、実は心筋梗塞を起こしていたケースなどはとても多いです。
当院では脳卒中、心臓病その他の循環器病に対して適切な治療が実施できるように、脳卒中センターの脳神経外科医(ブレイン)と、循環器内科チーム(ハート)が協力して治療にあたっています。
動脈硬化は、動脈が加齢により硬くなったり、内側に様々な物質が沈着して血管が狭くなり、血液の流れが滞る状態です。糖尿病、高血圧、脂質異常症、喫煙が、4大危険因子といわれています。
狭心症、心筋梗塞といった心臓の病気も、脳卒中も、動脈硬化によって血栓ができ、血管が詰まったり、流れが悪くなることが大きな原因です。
脳卒中のうち6割を占めるのが、「脳梗塞」です。脳梗塞の中には、心臓の働きの悪さ(心臓のポンプ機能の異常)が原因で起こるものがあります。心臓内にできた血栓が血液の流れで脳に到達し、脳の血管を詰まらせることで起こる「心原性脳塞栓症」というタイプの脳梗塞です。心原性脳塞栓症は、前ぶれなく突然発症し、大きな血管が詰まる(梗塞範囲が広い)という特徴があり、脳梗塞の中でも命に関わる危険なものです。
脳疾患である心原性脳梗塞を引き起こす大きな原因は、心疾患である「心房細動」です。心房細動とは、心拍、脈拍のリズムが完全に不規則になる不整脈のことです。
心房細動の人では心臓に血栓ができやすく、脳梗塞(心原性脳塞栓症)になる確率も高くなります。脳血管の詰まりと心臓の働きとの間には関連性などないように思われがちですが、実際にはとても大きく深く関係しています。
心臓は一定のリズムの電気信号に従い拍動し、血液を送り出していますが、心房細動になると異常な電気信号により、心臓の上の部屋である心房が震えるように動き血流が停滞してしまうことで、血栓ができてしまいます。心臓にできる血栓は比較的大きいものが多く、血管を詰まらせる原因にもなります。