脳梗塞急性期において、rt-PA静注療法で血管の再開通が得られなかった場合や、時間的にrt-PA静注療法が実施できなかった場合に、ある一定の条件下においてカテーテルによる「血栓回収療法」が実施できる場合があります。
本治療は発症から8時間以内に血栓が回収され血流が再開することが条件とされています。時間内であっても脳虚血領域が非常に広い場合やMRI画像の所見などから、脳出血(出血性脳梗塞)のリスクが 高く実施しない方がよいと判断されることがあります。
本治療法は、大腿動脈から刺入した細いカテーテルを脳動脈の閉塞部位まで誘導して、血栓を吸引し たりステントで血栓を絡め取って回収したりする方法です。
血流の再開により脳虚血症状が改善することが期待できる一方で、rt-PA静注療法と同様に脳出血(出血性脳梗塞)を生じて増悪することもあり得ます。その為、本治療は、専門医の厳正な診断のもとに、適応があると判断された患者様のみに実施されます。
ステントという網のような機器を頭の血管の中で広げて、詰まった血栓をからめ取る方法です。近年の研究によりrt-PA静注療法に加えて、血栓回収療法を行った場合のほうが、rt-PA静注療法単独の場合より良好な回復が得られることが明らかとなりました。当院では、rt-PA静注療法を実施した症例について、24時間体制で、迅速に血栓回収療法を実施する体制を整えています。
【ステントリトリーバー療法】