腰痛について

整形外科担当医

上坂真司(うえさか しんじ)

【診療日】 月曜日、金曜日
【専門】脊椎外傷、骨折、人工関節
【学位】医学博士(日本医科大学)
【 認定医・専門医 】 日本整形外科学会専門医
日本リウマチ学会リウマチ専門医
日本整形外科学会認定スポーツ医
日本整形外科学会認定リウマチ医
日本整形外科学会脊椎脊髄病医
日本整形外科学会運動器リハビリテーション医
日本医師会健康スポーツドクター



脊椎のはたらき

脊椎は頭蓋骨の真下から尾骨(びこつ)に至るまでのいわゆる“背骨”の部分です。
脊椎の主な機能として次のようなものがあります。

  1. 脊髄などの大切な神経を保護する
  2. 上半身を支える
  3. 上半身を動かす
  4. 肋骨との組み合わせで内臓を保護する

脊椎に変性、変形、骨折、腫瘍など何らかの問題が生じると、骨や椎間板自体が痛んだり、上体の運動に支障をきたすことがあります。
また、脊髄や神経根などの神経を傷つけたり圧迫したりすると、痛み、しびれや麻痺、排泄障害などの症状が出現します。

脊椎の神経

脊柱管(せきちゅうかん)には、脳から伸びている脊髄(せきずい)が通っています。
脊髄は、体の末端、つまり末梢(まっしょう)へ伸びる神経の枝を出しながら第1~第2腰椎(L1~L2)のあたりまで伸び、その先は、馬のしっぽのように分岐します。この部分をその形状から馬尾(ばび)と言います。
脊髄から枝分かれした直後の神経は神経根(しんけいこん)と呼ばれ、椎体と椎体の間にできる左右の空間 (椎間孔:ついかんこう)から体の末梢へと枝分かれしていきます。

脳と脊髄の働き

脳と脊髄は生命を維持する活動に関わる神経で脳は感覚(知覚)を分析して筋肉を動かす(運動)指示を出します。
脊髄は体の各部から送られた情報を脳に伝え、脳はその情報を分析/判断して脊髄に指令を出します。
脊髄はその指令を受けて体の各部に必要な反応をおこさせるよう働きます。
また、脊髄は危険から身を守るための“反射”に関係しています。
例えば熱い物に触った時にさっと手を引っ込める動作が“反射”です。
脊髄が圧迫されたり傷ついたりすると、体の各部で反射の異常が見られる場合があります。

腰痛と神経症状

脊椎疾患の主な症状には、骨や椎間板そのものの痛みと、神経の圧迫による痛みやしびれ、麻痺などの神経症状があります。
病気の診断は、自覚症状、エックス線や画像診断、脊髄造影等の検査、反射試験等の検査をあわせて行います。脊椎疾患による症状は、内臓などの疾患の症状と重なる部分が多々あります。自己判断せずに、必ず医師の診察を受けて下さい。

腰痛

腰痛は最も多い自覚症状です。その約4割は、加齢や過度の運動などによって骨や椎間板が変性/変形しているところへ、さらに負担のかかる姿勢や動作をすることで生じるとされています。
このような腰痛は1~2週間程度で軽快することがほとんどです。
痛みが強い場合や、痛みの他にしびれや麻痺などの症状がある場合は、専門的な治療の対象となります。

神経症状

障害されている脊椎の部位によって、出現する症状がある程度わかっています。
しかし、部位が同じでも、神経の圧迫の程度によって、手足のしびれから完全な麻痺に至るまで症状の程度に違いがあります。
特に、次のような脊髄症状が見られる場合は、早急に治療が必要となります。

脊髄麻痺

脊髄が完全または部分的に機能しなくなる状態です。
体の各部からの情報を脳に伝えることができなくなり、また、脳からの指令を体の各部に伝えることもできなくなります。
つまり機能しなくなった脊髄のレベルから先(末梢)の部分の運動や感覚が失われてしまいます。
例えば頚髄(けいずい)で脊髄麻痺がおこると、首から下の部分(体幹、四肢など)を自分の意思で動かすことができなくなり、感覚もなくなります。
さらに呼吸や排泄のコントロールもできなくなります。

主な脊椎疾患

【腰椎椎間板ヘルニア】

骨と骨の間をつなぎとめる組織を椎間板といい、椎間板はクッションの役目をしています。
その一部が変性などに伴い出てきて神経を圧迫することで症状を来たします。
症状がさほど強くなければ投薬や神経ブロックを行い保存的に治療します。
筋力の低下や排尿障害を来した場合、また保存的治療を行っても日常生活に強く影響を生じている場合は手術を行います。手術は内視鏡手術の良い適応です。

【脊柱管狭窄症】

脊柱管は背骨や椎間板・靭帯などに囲まれた脊髄の神経が通るトンネルです。
これが変性した椎間板・背骨・靭帯などにより神経が圧迫されることで、神経の血流が低下し症状を来たします。
安静にしていればほとんど症状はありませんが、立ったり歩いたりすることで血流の低下を生じ、足がしびれてしまい歩けなくなることや、排尿障害を来たすこともあります。
始めは投薬やブロック治療を行いますが、それでも症状が進行する場合は手術を行います。

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