この度、脳卒中センター副センター長の熊谷先生の英語論文がJournal of Neuroimagingという海外医学英文誌にアクセプトされました。
雑誌名・書籍名 Journal of Neuroimaging
掲載年月日 2022年9月18日
筆頭者氏名 熊谷 光祐
共著者氏名 林 魅優華、上田 徹、西田 翔、石原 秀明、林 真司、加藤 裕
論文表題 Three‐dimensional vessel wall MRI to characterize thrombus prior to endovascular thrombectomy for large vessel occlusion stroke.
目的:脳主幹動脈急性閉塞に対するMRIを用いた画像評価は、機械的血栓回収療法を行う上で有用である。しかし、MR angiographyでは閉塞血管の走行を評価することは困難であるため、閉塞血管を描出する方法があれば手術に伴う合併症発生を軽減できる可能性がある。そこで、今回、3次元 variable refocusing flip angle turbo spin echo (3D VRFA-TSE)法を用いた3D proton density-weighted (PDW) VRFA-TSE (Volume Isotropic TSE Acquisition: VISTA法) が閉塞血管描出に有用であるかを検討した。
方法:機械的血栓回収療法が適応となった脳主幹動脈急性閉塞6症例について、術前MRIにPDW-VISTA法とT2-weighted (T2W) -VISTA法を用いた撮像を追加し、閉塞血管の走行及び血栓に関する比較検討を行った。
結果:全症例において、PDW-VISTA法とT2W-VISTA法を用いた撮影を行うことができた。前方循環において、PDW-VISTA法はT2W-VISTA 法と比較して、より明確に閉塞血管を描出することができ、その走行は血栓回収後に得られた血管の走行と一致した。一方、後方循環においては、PDW-VISTA法とT2W-VISTA法による描出は同程度であった。また、3D PDW-VISTA法を用いることで、血栓の位置や大きさ、長さを評価することも可能であった。 結論:脳主幹動脈急性閉塞において、PDW-VISTA法を用いることで閉塞血管をより明確に描出できることが示された。また、血管走行のみならず、血栓の位置や長さも術前に評価できるため、手術に伴う合併症の発生率を軽減できる可能性が示唆された。