閉塞性動脈硬化症(足の血管が狭くなる病気)

閉塞性動脈硬化症(足の血管が狭くなる病気)

最近、次のような症状はありませんか?


  • 以前より歩けなくなった
  • 少し歩くと足が痛くなる
  • 休むとまた歩ける

これらの症状は、加齢による筋力低下や神経・関節の病気が原因のこともあります。

一方で、足の血管が狭くなっている病気(血流障害)が隠れている場合もあります。

  • 足にできた傷が治りにくい(重症のサイン)

このような症状がある場合は、病気が進行している可能性があります。

この病気を閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)といいます。

早期に治療を行うことで、症状の改善や重症化の予防につながります。


閉塞性動脈硬化症とは

足の血管に動脈硬化が起こり、血管が狭くなったり詰まったりすることで、足の血流が悪くなる病気です。


このような病気を、従来は「閉塞性動脈硬化症(ASO)」と呼ばれていました。
現在は国際的に「末梢動脈疾患(PAD)」という名称が広く用いられています。

また、近年のガイドラインでは「下肢動脈疾患(LEAD)」という呼び方も使われています。

最近では、わかりやすく伝えるために「足梗塞」と表現されることもあります。

いずれも、おおむね同じ病気を表す用語です。


主な症状

  • 歩くと足が痛くなる

歩くと足が痛くなり、休むとまた歩けるようになります。

特に、階段や坂道では痛みが出やすくなります。


このような症状は「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」と呼ばれます。

閉塞性動脈硬化症の代表的な症状です。


  • 足が冷たい

血流が悪くなることで、足が冷たく感じることがあります。


  • 足の色が悪くなる

足の色が白っぽくなる、紫色や暗い色に変化することがあります。

多くの場合、足の冷たさを伴います。


  • 足の傷が治りにくい

血流が不足すると、小さな傷でも治りにくくなることがあります。

2週間以上治らない傷や、悪化する傷がある場合は注意が必要です。


さらに進行すると、深い潰瘍(かいよう)や、組織が黒く壊死(えし)することがあります。



受診のめやす

このような症状がある場合は、受診をおすすめします。


  • 軽い症状でも注意が必要な場合

・以前より歩ける距離が短くなってきた

・少し歩くと足に違和感やだるさ、痛みを感じる

・足が冷たい、左右差がある


  • 進行している可能性がある場合(中等度の可能性)

・坂道や階段で足が痛くなり、登りにくい

・100〜200mほど歩くと足が痛くなり、休まないと歩けない

・足の色が白っぽい、または紫色に変化している


  • 早めの受診が必要な状態(重症の可能性)

・足の傷が2週間以上治らない、または悪化している

・安静にしていても足に痛みがある


特に、安静時の痛みや治りにくい傷がある場合は、病気が進行している可能性があり、早めの受診が重要です。


症状が軽い段階でも、早めに検査を行うことで重症化の予防につながります。

「このくらいで受診してよいのか」と迷われる方も多いですが、
気になる症状がある場合は、早めのご相談をおすすめします。


治療について

この病気は、血流を改善することで、歩きやすさや日常生活の質の改善が期待できます。


当院では、患者さんの状態や病気の進行度に応じて、

負担の少ない治療から段階的に選択し、必要に応じて組み合わせながら最適な治療をご提案します。

主な治療法

  • まずは負担の少ない治療から行います

・飲み薬による治療

血流を改善し、動脈硬化の進行を抑えます


・運動療法(歩行訓練)

歩くことで血流改善を促します


  • 必要に応じて検査結果をもとに、血流を直接改善する治療を行います

・カテーテル治療(EVT)

風船やステントで血管を広げます

体への負担が少なく、入院期間も比較的短い治療です


・手術(バイパス手術・内膜摘除術)

血流の通り道を作る、または詰まりを取り除きます

カテーテル治療が難しい場合や、病気の進行度に応じて行います


  • 重症の場合に補助的に行う治療

・吸着型血液浄化療法

血液中の不要な成分を取り除き、血流を改善して傷の治りを助けます


・高気圧酸素療法

高濃度の酸素を取り込むことで、傷の治癒を促します



気になる症状がある方はご相談ください

足の痛みや歩きにくさ、治りにくい傷は、血管の病気が原因の場合があります。

こうした症状を放置すると、歩く力の低下や健康寿命の短縮につながることがあります。



早めに検査を受けることで、症状の改善や重症化の予防につながる可能性があります。

「これくらいで受診してよいのか」と迷われたら、お気軽に血管外科へご相談ください。