元々一重の方がアイプチやノリで二重にしていて、かぶれたりして疲れた場合などが適しています(一重の状態からいきなり二重にすると周囲への説明が大変です)。この手術はずっと「傷との戦い」が続いてきた分野です。二重の方と一重の方は瞼の中の構造が違っています。
一重を二重にする基本的な方法は切開法であり、皮膚を二重予定線の端から端まで切開して中を確認してから構造を変更します。これで確実な二重になりますが、目を閉じた時に傷がはっきり見えてしまうのが大きな問題でした(ご本人は目を閉じているので見えません)。
この問題を解決するため、切開せず針と糸で中を縫って擬似的に二重にする方法(埋没法)がありますが、埋め込んだ糸の部分がだんだんゆるんできてそのうち二重がとれてしまうというリスクが常につきまといます(7~8回とれてやり直した方もおられます)。とれたら無料で再手術というところも多いようですが、言い直せば「とれることがある」ということです。
長年にわたり「切開法」と「埋没法」の不完全さに頭を悩ませ、到達した方法は両者の良いところだけを組み合わせるというものでした。「傷が目立たない程度の小さな穴から切開法と同じ処置をやろう」ということです(外科の内視鏡手術をイメージしていただけると判りやすいかもしれません)。
似たような発想として「部分切開法」というのもありますが、違うものです。目立たない程度の小さな穴をあけるところまでは同じですが、穴の直下のみしか処置をしませんので、目を閉じた時は穴の部分だけ凹みます。
担当医の方法は「二重の究極の完成形」と考えており、この目的のためのオーダーメイドの手術器具を使用します。この手術が最善だと考えておりますので、切開法や埋没法をご希望の方は当院ではお受けしておりません。
上まぶたのたるみとりは、技術的には健康保険で実施する眼瞼下垂手術とほぼ同じになります。機能障害がなく美容の目的ならば自費でのたるみとりとなり、視野に障害が出ているなどの機能障害があれば保険で実施しますが、どちらであっても「美容的結果に最善を尽くす」ことには変わりありません。
下まぶたのたるみとりは、特殊な注意が必要な手術となります。上まぶたと同じ感覚で皮膚を切り取ってしまうと大変なことになります。
下まぶたの老化は主に脂肪の垂れ下がりが原因で、多くの場合はこの脂肪を除去しなければなりませんが、除去し過ぎると凹んでしまうので非常にデリケートな作業となります。
まつ毛ギリギリのところを切開しますので、傷をメイクで隠せない男性の患者様には下まぶたは基本的におすすめしないことにしております。