この度、脳卒中センター長、石原先生の論文が医学雑誌「脳血管内治療」に掲載されました。
雑誌名・書籍名 脳血管内治療
掲載年月日 2022年12月20日
筆頭者氏名 石原秀章
共著者氏名 神山信也、西田翔、熊谷光祐、林真司、加藤裕
論文表題 頸部頸動脈狭窄症に対するStaged Angioplastyの一期目経皮的血管形成術における弾性反跳の危険因子および臨床的意義の検討
Risk factors and clinical significance of elastic recoil following first-stage percutaneous transluminal angioplasty for cervical carotid artery stenosis
「目的」頸部頸動脈高度狭窄症に対するStaged angioplasty(SAP)は過灌流症候群(CHS)予防に有用であるが、弾性反跳(ER)による拡張不全が起こり、意図せぬステント留置(CAS)を要することがある。今回、ERの危険因子や臨床的意義につき検討した。「方法」 SAP 49例において、拡張直後から15分後の10%を超えるminimal lumen diameter(MLD) lossをERと定義し、再狭窄(NASCET≧70%)との関連を検討した。「結果」MLDは0.7 ± 0.3mmから2 ± 0.5 mmまで改善したが、ERは41例(84%)に認められ、5例にCASを要した。術後3日目の麻痺増悪1例にCASを施行したが、全例でCHSは認めなかった。30%を超える重度ER(28例、58%)が再狭窄(7例)に関連しており(P=0.01)、重度ERの危険因子として、高齢(>75歳; P = 0.01) 、偏心性狭窄(P = 0.02) 、180°を超える石灰化病変(P = 0.04)の関連が有意であった。「結論」高齢及び偏心性、石灰化病変ではERによる再狭窄が起こりやすく、CASのタイミングに注意が必要である。